コトリバコ

【怪異】引きずり少女とコトリバコ【第5夜】

@kotoribako

「雨の日になると、里美は幼い頃の記憶に囚われる。親友・玲奈との約束、引きずり女の怪異…そして“コトリバコ”の呪いが迫る。彼女はこの呪いに終止符を打てるのか?」#引きずり女 #神奈川 #雨の日の恐怖 #コトリバコ #ホラー #恐怖体験 #横須賀市

♬ オリジナル楽曲 – SATORI – SATORI

神奈川県横須賀市のとある小学校に勤める20代の女性教師、里美(さとみ)は、雨の日が苦手だった。窓越しに見える雨粒が、彼女に古い傷跡を思い出させる。彼女がまだ小学生だったころ、玲奈(れいな)という親友がいた。二人は仲が良く、いつか一緒にケーキ屋さんを開くという約束までしていた。玲奈は地味で控えめな子だったが、勉強もでき、先生の言うことをよく聞く真面目な性格だった。

しかし、玲奈はクラスのいじめのターゲットとなっていた。最初は里美も一緒に玲奈をかばっていたが、いじめの矛先が自分に向かうことを恐れ、次第に距離を置くようになってしまった。心の中では後悔しつつも、いじめから逃げるための自己防衛だった。

ある雨の日、事件は起こった。放課後、4人のクラスメイトが玲奈を傘で突き、彼女をからかっていた。玲奈は逃げようとして道路に飛び出した瞬間、運悪くトラックが走ってきた。トラックは彼女の足を巻き込み、数十メートルも引きずった末に止まった。玲奈はそのまま帰らぬ人となった。

それ以降、雨の日の夕方、学校の帰り道で「引きずり女」と呼ばれる怪異が現れるようになった。彼女は事故にあった直後の姿で、引きずられた足から血を流しながら、生徒たちに「引きずってやろうか?」と尋ねる。その問いに「はい」と答えた者は、1週間以内に自動車事故に遭い、命を落とすという。そして、あの日玲奈をいじめていた4人の子どもたちは、次々と事故に巻き込まれ、不気味な傷だらけの少女が彼らの車に乗っていたという噂が広がっていた。

里美はその記憶と後悔を抱えたまま大人になり、今は教師としていじめのない学校を作ろうと日々努力していた。だが、玲奈の怪異は今も続いている。里美は自分がその怪異と関わっているとは夢にも思わなかった。

小学生の頃、二人は「コトリバコ」という儀式を行ったことがあった。玲奈と「永遠に一緒にいられる」という約束を込めた呪物で、二人はその時の純粋な気持ちで箱を作り、封じた。しかし、里美はその箱の力を知らなかった。それは呪いを生む危険なものだったのだ。

雨の日が訪れるたびに、玲奈の影が近づいてくる。引きずられた足音が里美の耳に響き、「引きずってやろうか?」という声が頭の中でこだまする。彼女はもう逃げられない――自分が作り出してしまった怪異から。

その箱を封じない限り、玲奈の怨念は永遠に続き、さらなる犠牲を生むことだろう。だが、里美にはその方法が分からない。彼女は、玲奈との約束を守るためにも、この呪いに終止符を打たなければならないと覚悟を決めた。

次の雨の日、里美は覚悟を決めて、あの場所へと向かう――引きずられる少女との対面が待っていることを知りながら。

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あなたは生き残れますか?この漆黒の闇に。

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